日光東照宮に行くのが数倍楽しくなる知っておきたい見どころ情報

日光市在住の私の頭の中にある東照宮の知識をすべて書かせていただきました
細かいものを入れるとまだありますがこれだけあればお腹いっぱいだと思います
箇条書きになっていますが文字だけで量が多いのでコーヒーでも飲みながらゆっくりと読んでいただけたらと思います

では、日光東照宮ワールドへ行ってらっしゃいませー

日光東照宮

1617年建立
徳川家康が祀られている(1616年・75歳没)
家康は遺言で1年間久能山(静岡県)に自分を祀ったあとに日光に小さなお堂を建てて祀ってくれと言った
1636年に3代将軍徳川家光により今の絢爛豪華な建物に造り変えられた
工事期間は約1年半-2年
国宝8
重要文化財34
全部で55棟の建造物がある
人物から動物まで彫刻総数は5173
極彩色を用いるのが日光の特徴
美しさは力を表す
赤色は魔よけの意味もある
灯ろうの数は約120
献納したのは徳川家と関わりの深い各地の大名たち
伊達政宗の灯ろうも陽明門の階段の右下にある

東照宮の入口にある東照宮と書かれた石碑
大正時代に建立
東照宮の文字を書いたのは渋沢栄一
渋沢栄一は徳川慶喜に仕えていた
大正時代に御恩期がありその時の奉賛会(神社の改修事業などを応援する会)の会長を渋沢栄一が勤めた縁で作った
石碑の右側に名前が書いてある

石鳥居
1618年に黒田藩(福岡県)の藩主黒田長政が奉納した石造りの鳥居

高さは9メートル・重さ90トン
京都八坂神社・鎌倉八幡宮とあわせて日本三大石鳥居と言われている
江戸時代に建てられた石造りの鳥居としては日本で一番大きい
ここにも東照大権現(とうしょうだいごんげん)の額があり畳1畳分の大きさがある
東照大権現は家康の神様としての名前
ここで使われている石は筑前(福岡県)の花崗岩で15個の石材で組み立ててある
釘などは一切使われていない
この石を筑前(福岡県)から日光まで運んできた
筑前(福岡県)→玄界灘→太平洋→江戸川・利根川・渡良瀬川(いかだを使用)→栃木県内は大きなそりで陸送
約半年かけて持ってきた
なぜそんな大変なことをするのか?
自分の土地から物を納めることが重要
東照宮の建物はすべて徳川家が作ったもの
大名からの寄贈品は受け付けなかった
黒田長政はいち早く鳥居を奉納した
鳥居の右下正面に黒田長政(黒田筑前藤原長政)の名前が彫ってある
この鳥居とその奥の門を一直線に見るとその後ろ側が江戸城の方角になる

五重塔
重要文化財
慶安3年(1650年)に建立
小浜藩主・酒井忠勝の寄進
文化12年(1815年)落雷により焼失
文政元年(1818年)忠勝の子孫の忠進により再建
高さ約36メートル
内部は吹き抜けになっている
心柱という柱が通っている
直径約60センチ
4階から鎖で吊り下げられている
下は10センチくらい浮いている
耐震・耐風のため
揺れることで塔の揺れを軽減する

東日本大震災でも問題なし
この技術はスカイツリーにも応用されている
塔の周囲に干支の彫刻がある
ネズミは北・うさぎは東を指す
虎・卯・辰が正面にきている
虎は家康の干支
右から家康・秀忠・家光の干支の並び順になっている
五重塔は本来お寺の建物
神と仏を一体と考えた日本古来の思想(神仏集合)により東照宮(神社)にある

神厩舎(しんきゅうしゃ)
三猿(見ざる・言わざる・聞かざる)がある場所
東照宮に仕える馬の小屋
家康が関ケ原出陣で乗った馬が神馬として奉納された
猿は馬を病気から守るとされている
災いが「去る」ようにというシャレもある

三猿
人の一生になっている
建物の側面にもある

左から順番に
・子猿の将来を母猿が心配している
「親」は危険がないかどうか木の上に立って見ている

・分別がつかない幼いころ
悪いことを見ない、言わない、聞かない

・少年時代独り立ちの準備
まだ子猿なので1枚目の母親の目が届く高さにある

・三枚目より一段高くなる
大きな志を抱いて天を仰いでいる
大人になりこの先どうなるのかと思っている
青い雲は「青雲の志」を表している

・挫折
うまくいかず落ち込むが友が励ましてくれる様子
共に悩んでいる
共に生きる共生力を教えてくれている
人は決して一人ではない
誰かと共に生きている
右の猿は歯をくいしばって先に進んでいっている

・恋愛中
木登りで異性にアピールしている
目のまわりが赤くなっている

・結婚
共に苦労や世間の荒波を乗り越える
どこまでも手を差し伸べるという意味で猿の手が長くなっている

・妊娠
お腹が大きくなった姿
親になる
そして一枚目に戻る

色を塗り替えたが猿の表情が以前と違うと話題になった
今はミスターポポみたいな目になっている
風化すると今と違った表情になるらしい
8枚がすべて見える位置に立つとほとんどの猿を一度に見ることができる

三神庫(さんじんこ)
千人武者行列で使用される道具を保管している蔵
左から上神庫(かみじんこ)・中神庫(なかじんこ)・下神庫(しもじんこ)がある
屋根の下に象の彫刻があるのが上神庫

上神庫(かみじんこ)
建物の上のほうに象の彫刻がある(想像の像)
江戸時代の絵師狩野探幽(かのうたんゆう)が想像で描いた象とされている
室町幕府4代将軍のときに象が初めて日本に来た
狩野探幽は見たことがなかったのかもしれない
耳やしっぽが実物と違っている
みんなの知らない動物を描くことにより興味を引くことができる
この先に何があるのかとわくわくさせる意味がある

飛び越えの獅子
陽明門へ向かい階段を上がった両脇に唐獅子がいる

これは単なる装飾ではなく石の柵が倒れるのを防ぐ役割もある
この石は備前(岡山県)の花崗岩で日光まで運んできたらしい

陽明門 国宝
江戸時代の最高技術によって作られた門
麒麟は平和な世に現れる霊獣
龍は王権のシンボル
唐獅子は聖域を守る
彫刻の数は508
龍は家光公の干支
陽明門は江戸城を向いている
陽明門のうしろは唐門、御本社、家康のお墓と一直線に並んでいて夜には陽明門の頭上に北極星が現れる
北極星は宇宙の中心とされていた
別名 日暮の門(ひぐらし)
一日中見ていられるくらいすばらしい門だから
陽明門に鼻の穴がある龍がいる
これは龍ではなく「息」という
読み方は正式に決まってなくて「いき」とか「そく」とかいう

唐子遊び(からこ)
子どもたちが遊んでいる様子が彫刻されている
子どもたちが遊べる平和な時代が訪れるよう願って彫刻された
囲碁や展書(字を書いている)

一番上に鬼瓦がある
邪悪な者が門の中に侵入しないように見張っている
唐獅子(白い獅子)
強さの象徴や魔よけの役割

魔よけの逆さ柱
うずまき模様(ぐり)が1本逆になっている
完成した瞬間に崩壊が始まるからわざと逆にして未完成にしている

平成の大修理
金箔24万枚が使われている
金閣寺より多い
12億円分
日本を代表する美しい門として明治時代に多くの外国人観光客も訪れていたといわれている
陽明門の近くにパワースポットと言われる場所があるが説明がしづらいので興味がある方は調べてみてください

鳴龍 本地堂(薬師堂)
ふつうに拍子木を打つと響かないが龍の顔の真下で打つと残響音が響きわたる
鈴を転がすようにも聞こえるので鈴鳴きの龍とも呼ばれる
龍の声が聞こえた人は運が開けるといわれている
湿度が高いと鳴きがいいらしい
龍は狩野永真安信(かのうえいしんやすのぶ)が描いたが火事で焼失
堅山南風(かたやまなんぷう)が復元
大蟠龍(だいばんりゅう)という
縦 約15m
横 約6m
鳴き龍を聞く前に願い事をするといい

唐門(からもん) 国宝
陽明門の先にある建物
御本社の正門
この門から直接御本社には徳川家や神職の人しか入れない
彫刻が611体ある
1本の欅(けやき)に427人の人物像が彫られている
舜帝朝見の儀(しゅんていちょうけんのぎ)という
舜帝は古代中国の伝説上の皇帝
門全体は胡粉(ごふん・貝殻でできた粉)で白く塗られている
門の柱には紫檀や黒檀などで寄せ木細工された昇り龍と降り龍がいる
陽明門に見入ってしまいスルーされがちな門だが御本社の正門で東照宮でも重要な場所

神輿舎(しんよしゃ)
春と秋の「百物揃千人武者行列」で使われる3基の神輿が入っている
中央が徳川家康
右が豊臣秀吉
左が源頼朝
天井には天女の絵がある

眠り猫
左甚五郎(ひだりじんごろう)作
平和の象徴
猫は魔性の動物といわれていて化ける力もある
その力を抑えたまま眠っていることができるということは牙も武器も使わない平和の象徴となる
15センチ
21センチ
想像よりも小さいので見逃す人が多い
うしろには2羽の雀がいる
猫は雀からしたら天敵だが猫が眠っていることで雀も安心して暮らしているという平和な世界が訪れた事を意味している
本当は眠っていなくていつでも飛びかかれる態勢をとっているともいわれている
彫刻は立体なので正面からだけでなく左から見たり右から見たりするといい
左から見ると肩が上がっていて臨戦態勢なのがわかる
横から戦いを挑む者は卑怯者なのでそういう者に対しては徳川家は力を出して抑えるぞという意思を示している
江戸時代の平均身長は約150cm
その目線で見るといい

奥宮 家康公のお墓
眠り猫から207段の階段を登った上にある
登ってる最中に来なきゃよかったと後悔する
絢爛豪華な場所とは対照的に静寂な場所となる
色がついていない
昔は将軍とか偉い人しか行けなかった
静岡県の久能山東照宮にも同じようなお墓があり家康公がどちらに入っているかわかっていない
正確には家康公のお墓とされているものとなる
400年間今まで一度も開けたことがない
座ったまま埋葬されているとも言われている
この下に埋蔵金が埋まっているという都市伝説がある
叶杉(かのうすぎ)という樹齢600年の杉の木がある
幹のほこらに祈願すると願い事が叶うという隠れ開運スポットになっている
家康公のお墓の手前に門がある
これは鋳抜門(いぬきもん)という
扉以外の柱や梁が一つの鋳型で作られたから
この門の上の方に龍のような霊獣がいる(口から変なのが出ている)
この霊獣は蜃(しん)という
口から気を吐いて人や動物を惑わし家康公を守っている
蜃気楼の蜃
ここの門はみんな素通りしてしまう
ここを見ている人がいたら相当な東照宮マニア
鋳抜門の前まで行けると思うんだけどもしだめなら遠くから見てみてください

豆知識
東照宮には植物の彫刻が50種類
約4000体ある
鳥類は45種類
約1000体ある
花咲き鳥歌う豊かな世界という意味がある
建物には葵の御紋がある
葵の御紋は全部形が違う
型を使わずに彫られたため全て柄のサイズやデザインが違う
葵の御紋だけで2000種類以上ある

東照宮には神様専用のトイレがある(西浄という)
トイレは非公開
漆塗りで9個並んでいるらしい
外観は見れる
想像の象を見ていたら右の赤い建物
西浄の屋根瓦には三巴(みつどもえ)の紋がついている
普通は三葉葵
ここが神様のトイレだと知ってる人はほぼいない
私も知らなかった
当時のトイレだからボットン便所なのかな
というか神様ってトイレに行くのか?

みなさまいかがだったでしょうか
東照宮に早く行きたくなってきましたか?
ここまで見ていただきありがとうございました

拝観時間
4/1-10/31 9:00-17:00
11/1-3/31 9:00-16:00
受付は閉門30分前に終了

拝観料
大人・高校生 1,600
小・中学生  550

東照宮拝観券+宝物館入館券
大人・高校生 2,400
小・中学生  870

宝物館入館料
大人・高校生 1,000
小・中学生  400

美術館入館料
大人 800
小・中学生 400

音声ガイド
レンタル料 500/
貸出場所 表門(チケットを見せる赤い門)をくぐって正面
受付時間
4-10月 9:00-16:00
11-3月 9:00-15:00
個人利用の方は予約不要
団体の方は予約が必要
料金は変わっている場合があるので確認してください
321-1431
栃木県日光市山内2301
電話 0288-54-0560